【1300年以上続く祈りのリレー②】~木を曳くのではない、祈りを曳く~

御木曳行事は、式年遷宮に用いる御用材を神宮へ運び入れる行事です。

しかし実際に見学すると、それは単なる運搬作業ではありませんでした。

宮川で清められる御用材

御用材はまず宮川で清められます。

古来、日本では水には穢れを祓う力があると考えられてきました。

神事の前に手や口を清めるのも同じ考え方です。

御用材もまた、神様の御用に供する木として清められるのです。

水切り

特に印象的だったのが「水切り」です。

堤防を越える坂道で、御用材を載せたソリを大きく揺らします。

初めて見る人は驚くほど激しい動きですが、これも古くから伝わる伝統的な所作です。

掛け声とともに大きく揺れる御用材は圧巻でした。

エンヤ、エンヤ

木遣り唄が響く中、人々が一斉に声を合わせます。

「エンヤ、エンヤ」

その掛け声とともに走りながら御用材を曳く姿は力強く、沿道からも大きな歓声が上がっていました。

一人では動かせないものも、多くの人が心を合わせれば動かせる。

そんな日本人の共同体の精神を見るようでした。

貯木池へ

そして最後は山田工作場の貯木池へ。

大切な御用材が水面へ納められる瞬間には、自然と拍手が起こっていました。

木を曳いているようでいて、実際に受け継がれているのは人々の祈りなのだと感じました。