御木曳行事は、式年遷宮に用いる御用材を神宮へ運び入れる行事です。
しかし実際に見学すると、それは単なる運搬作業ではありませんでした。

宮川で清められる御用材
御用材はまず宮川で清められます。
古来、日本では水には穢れを祓う力があると考えられてきました。
神事の前に手や口を清めるのも同じ考え方です。
御用材もまた、神様の御用に供する木として清められるのです。

水切り
特に印象的だったのが「水切り」です。
堤防を越える坂道で、御用材を載せたソリを大きく揺らします。
初めて見る人は驚くほど激しい動きですが、これも古くから伝わる伝統的な所作です。
掛け声とともに大きく揺れる御用材は圧巻でした。

エンヤ、エンヤ
木遣り唄が響く中、人々が一斉に声を合わせます。
「エンヤ、エンヤ」
その掛け声とともに走りながら御用材を曳く姿は力強く、沿道からも大きな歓声が上がっていました。
一人では動かせないものも、多くの人が心を合わせれば動かせる。
そんな日本人の共同体の精神を見るようでした。

貯木池へ
そして最後は山田工作場の貯木池へ。
大切な御用材が水面へ納められる瞬間には、自然と拍手が起こっていました。
木を曳いているようでいて、実際に受け継がれているのは人々の祈りなのだと感じました。

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