江戸時代から三津を見守る鳥居

境内に立つこの鳥居は、三津嚴島神社 に現存する最も古い建造物です。

建立は 元禄八年(1695年)
三津の豪商 利屋茂兵衛 によって寄進されました。

元禄の頃は、江戸の町が大いに賑わい、町人文化が花開いた時代です。
俳人 松尾芭蕉 の俳諧が広まり、人々の暮らしの中にも文化の香りが満ちていました。
やがてこの時代の終わりには、後に忠臣蔵として語り継がれる 赤穂事件 が起こり、日本中の人々の関心を集めることになります。

その頃、瀬戸内海に面した港町・三津は海運で栄え、多くの船が行き交う活気ある町でした。
町の繁栄の中で、神様への感謝と信仰の心から奉納されたのが、この石の鳥居です。

鳥居は、神様がお鎮まりになる神域と、私たちの暮らす日常の世界との境を表すものとされています。
鳥居をくぐることで心を整え、神様の御前へと進んでいく――
古くから人々はそうした思いで参道を歩んできました。

この鳥居が建てられてから、330年余り。
江戸の世から明治、そして令和の時代まで、数えきれないほどの人々がこの鳥居をくぐり、祈りを捧げてきました。

今日も変わらず、参拝の皆様を静かに迎えています。