境内にある石灯籠は、文化10年(1813年)に奉納されたものです。

この頃は、いわゆる文化文政時代。
江戸の町人文化が大きく花開いた時代で、葛飾北斎が後に代表作へとつながる創作を重ね、十返舎一九の『東海道中膝栗毛』が広く親しまれるなど、人々の暮らしの中に文化と娯楽が根づいていった時代でもありました。

一方で地方においては、日々の安寧や五穀豊穣を願い、こうした石灯籠が神前に奉納されていきました。
この灯籠もまた、当時の人々の祈りのかたちを今に伝えるものです。
なお、後部の石が欠けているのは、平成13年(2001)に発生した芸予地震によるもので、一部が倒壊した痕跡です。
自然の脅威とともに、それでもなお残り続けてきた歴史の重みを感じさせます。

二百年以上にわたり、この地を見守り続けてきた石灯籠。
ご参拝の折には、ぜひ足を止めてご覧ください。
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