愛媛県神道青年会 第35回観月神楽の夕べ

愛媛県神道青年会主催の観月神楽の夕べを行いました。

毎年違う神社を会場として、中秋の名月の頃に雅楽や神楽を楽しんでいただこうと催しています。

今年はご縁をいただき、日尾八幡神社にて開催しました。

いつも通り篳篥を吹きたいところですが、会長は司会をするという前例に倣い

今回は司会に徹しました。

先ずは石鎚神社の巫女さんによる「浦安の舞」

皇紀2600年の祝典が昭和15年(1940年)に行われたときに、その奉祝会が制定したのが、この神楽舞です。

昭和天皇様が詠まれた

「天地の 神にぞいのる 朝なぎの 海のごとくに 波たたぬ世を」

という詞に、当時の宮内省楽部の楽長が曲と舞をつけられたもので、

昭和15年11月10日の奉祝会当日、全国の神社で一斉に奉納されました。

それ以来この舞は全国の神社の神事に奉納されております。

曲名の浦安とは、心の安らか、という意味で、平和を祈る心の舞であります。

次に恒例となっています伊豫神楽さんにも神楽を舞っていただきました。

伊豫神楽は愛媛県南予地方に、鎌倉時代以前より、現在に伝わる神楽で、男性の神主だけで構成され、神楽全体が神事という特長をもっています。

その創始は、現在では不明となっていますが、宇和島市の八幡神社には嘉元3年9月(西暦1305年、鎌倉時代)の銘がある神楽面が残されており、

それ以前より伝承されていたことは確かであると考えられます。

伊豫神楽25番 身躰鈿女舞(しんたいうずめのまい)

伊豫神楽は、昭和36年3月30日に第1号として愛媛県無形文化財の指定を受け、また昭和56年4月21日に国指定無形重要文化財の指定を受けて、現在ではかんなぎ会という団体を組織して保存を図っています。

次に愛媛県神道青年会による演奏

越天楽

越殿楽は、平安時代初期、中国の唐の国から伝わったといわれる曲です。

優雅な旋律で古くから親しまれた有名な曲で、福岡県の民謡「黒田節」もこの曲が基となったといわれています。

雅楽の楽器を紹介した後

次に陪臚(ばいろ)

この曲を7回繰り返し演奏した時に「舎毛音(しゃもうのこえ)」という音が聞こえると戦に勝つという言い伝えがあり、聖徳太子が物部守屋(もののべのもりや)と戦う時に演奏し、その音が聞こえて戦に勝ったとも言われています。

次に巫女さんによる「悠久の舞」

蒙古襲来の折り、宏覚禅師(こうかくぜんじ)によって詠まれた

「すえの世のすえのすえまで我が国はよろずの国にすぐれたる国」

皇紀2600年(初代神武天皇が即位されてから2600年)(昭和15年)、当時の宮内省雅楽部楽長多忠朝(おおのただとも)氏により作曲作舞されたお祝いの舞です。

当初は男性による勇壮な四人舞でしたが、昭和39年の東京オリンピックを期して、女性舞として振付し、世界の人々を歓迎したのが現在に至っています。巫女が手にして舞う季節の花により、勇壮の中にも、優雅な華やかさを併せ持つ神楽舞です。

次に伊豫神楽十五番 弓之舞

この舞は、国中の、諸々の災害、悪魔を武神が弓の神威によって退散させる弓祓いの舞です。

最後は、この近年、地震や台風大雨での堤防氾濫などがございます。

尊い命を失われた全ての御霊が、無事ふるさとへお帰りになりますように

そして被災された全ての皆様が、1日でも早くふるさとへ戻ること出来ますように

願いを込めて、ご来場の皆様と共に、ふるさとを合唱しました。

天気が不安定で準備時には雨が降っていましたが、演奏前には止み

鈴虫が無く心地よい気候の中、演奏することが出来ました。

会場を提供いただきました日尾八幡神社様・氏子総代様

ご協力いただいた皆様方に厚く御礼申し上げます。

誠にありがとうございました。

追伸、愛媛新聞に記事が掲載されました。