【10月15日の言葉】念ずれば花ひらく 坂村真民の詩

中予地区の秋祭りも終盤に差し掛かり、これから東予、南予と祭りの賑わいが移っていきます。

皆様も、機会が有れば是非各地へ出向いて頂いて、地方色豊かで賑やかなお祭りをお楽しみ下さい。

10月15日の言葉は郷土の詩人、坂村真民さんの有名な詩を取り上げました。

「念ずれば花ひらく」

念ずれば花ひらく 苦しい時 母がいつも口にしていた このことばを 

わたしもいつのころからか となえるようになった そうしてそのたび

わたしの花がふしぎと ひとつひとつ ひらいていった

 

この詩は真民氏46歳の時、片方の目が見えなくなり、絶望の底にあった時に生まれた詩で「念ずれば花ひらく」という言葉は、真民氏が8歳の時に夫に先立たれた母親が、苦しい生活の中で自分を励ますために、念仏のようにいつも唱えていた言葉だそうです。

真民氏は詩集のあとがきで「『念ずる』というのは単に心に祈るだけではなく、前向きに生きようとする事であって、希望なのである。どん底に落ちても、念じながら這い上がってくる不屈の魂である」と書いています。

当たり前のことですが、念ずるだけでは花は咲かない。土を肥やし、水をやり、太陽の光を当て、大切に手入れしないと花は咲かない。「念」という字は今を大切にする心と書きますが「今、今日この時を大切にして生きていく、そうして生きていれば、人生は必ず最後に花開きます。」という「今を大切に生きるための希望の詩」だと言えます。

46歳にして、絶望の底から前向きに進もうと念じながら、困難をひとつ一つ乗り越えて行った真民氏の不屈の魂と今を大切にする生き方、弱者に寄り添い、人生の真理を紡ぐ言葉は、いつも癒しと勇気を与えてくれます。

「世の無常」を理解し、今日を精一杯生きよ。

それこそが後悔のない「人生の鍵」である。    (弘法大師 空海)

 今日も良い一日を!